2010年10月26日火曜日

第三関門突破 なのか?


今日、口述試験がありました。ドイツ語でRigorosumと呼ばれるものです。

最終の公開議論(Verteidigung)を開くための条件として付与されたもので、主に基礎知識が問われます。



約一ヶ月前に日程、時間、そしてテーマが決まり、 今日に向けてせっせと準備をしてきました。
テーマを事前に取り決めることができるというのは普通の試験形式と違いラッキーなことなのですが、
私の周りにこういう試験を受けた人が皆無故、どんな形式でおこなわれるか等の詳しい情報は全く不明でした。
教授も「あ、基礎的なこと勉強しといてね」としか仰らなかったし・・・。



論文は何とか完成させることができても、その後の試験のことがずっと気掛かりでした。存在自体が不気味。
論文完成&提出を第一関門、学部会議での審査委員立ち上げが第二関門とすれば、この試験は第三関門かな。
そう、学部会議での審査委員が立ち上げられるかどうかも結構冷や冷やさせられるのです。
論文が完成してても、それと一緒に出さねばならない計7種類の書類に不備があったり、
これまでの経歴(特に成績やら単位等)から審査資格すらないと判断されたらその時点でアウト。
あ、審査委員会立ち上げの結果は今月半ばに無事届いています。一安心。

そして謎の第三関門です。



試験は午後2時から3時までの1時間。会場は教授の個人研究室。
試験記録をとらねばならず、研究室の女性アシスタントが立ち会ってくださいました。
円卓を3人で囲む形で、定刻よりやや遅れて試験は始まりました。


テーマは三種類。全般的に教授の専門分野に偏っています。試験準備の際、教授の専門分野については、
基礎よりももう少し深く勉強するか、あるいは全分野均等に基礎中心でいくか迷いましたが、
むらなく話せる方がいいかなと思い、後者の基礎中心を準備を進めることにしました。



回答方法ですが、各々のテーマについて私が延々一人で説明していくのかと思いきや、
教授がその都度口頭で質問していき、所々解説を加えていくという方法で進行していきました。
テーマの順番は自由選択。最初は教授の専門分野を選ぶことに。予想どおりというか、苦戦を強いられました。
基礎よりもやや深い知識が求められる出題。勉強してきた知識を上手く引き出しながら対処しようにも空回りの連続。
まぁ全くトンチンカンなものになるよりかはいいかと思い、説明及び出題を集中して聞いて、よく考えて答えることに。
時々正答もありました。今回準備が及ばなかった領域からの出題もありましたが、3つの概念の説明のうち、
1つは正答。残り2つは撃沈しましたが・・・。


上手く答えられなかったことが多かったので、正直やばいかなと思いましたが、残りのテーマでの巻き返しに集中することに。
凡打が多かったけど、確実なクリーンヒットもありましたし。ヒットの中にはホームラン性のあたりもあったかな。
まぁ、パーフェクト回答は無理なんだから、5割、いや6割ぐらいでいいかなと。それぐらい打てそうな感じだったし。
しかも、思ったよりもあがらず、落ち着いていたのには自分でも驚きました。 こりゃ完走いけるかなと希望を持てました。


2つ目のテーマは、結構長いこと勉強してきたことだったので基礎はバッチリ。
枝葉的なテーマを聞かれてもそれなりに対処できたし、冷静に頭の引き出しから知識を選び出せました。
3つ目のテーマもいくつか答えられなくて(用語のど忘れ)悔しい思いをしましたが何とか完走。
延々一人で喋り続けるという時間は殆どなく、教授のお話がメイン。
説明&解説だけでなく、時には雑談ぽいものも。雰囲気は和やかそのものでした。



午後3時の5分前に試験終了。50数分間なんとか完走。悔しい思いもしましたが、合否は天命にまかせることに。
勉強してきた範囲のことはそれなりに的確に答えられたし悔いはなし。まぁ、不合格ならその時点で終戦だけど。
その後、一旦私は退室することに。合否を決める作業のためです。



2~3分後、教授の個人研究室の扉が勢いよく開きました。

教授に名前を呼ばれました。中に入りました。そうして「Bestanden(合格)」と告げられました。
思わず「echt? (ホントに)」って聞き返しましたが、どうやら本当のようでした。
教授と強く握手しお礼を言い、アシスタントの方にも軽く(日本流に)御辞儀してお礼を述べました。

嬉しいというか何というか「ほんまにあんなんでよかったの」という思いの方が強かったです。表情は引きつっていたかも。


帰り道でも「んー、なんか説明不足のところもあったし、言葉も下手くそやったしなー。何でや」と、
自問自答&一人反省会を延々行っていました。 お情けなのか、それともちゃんと評価もらっての合格なのか・・・。


まぁ、お情けであれどうであれ「合格」という判定を結果オーライって思えるまで結構時間かかりました。



というわけで、なんとか重い重い第三関門を突破しました。
情報がない中迎えた試験でしたが、何とかよい結果を伴って過ぎ去ってくれました。


次はいよいよ最終関門。Verteidigung(公開討論)です。ゴールテープ切れるかなー。
これが終われば、長かったドイツの旅もいよいよフィナーレです。

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