2011年1月26日水曜日

ドイツの慣習に翻弄される


1月25日。とうとうプレゼンの前日になってしまいました。

私のドイツ滞在において、そして私の人生において26日は重要な日になりそうです。

 

今日は最終的な準備でお昼頃からバタバタしっぱなし。

午前中は原稿を読み上げて、記述と読む速さの最終チェック。ミスって結構見つかるものですね。うんざりー。

午前11時頃、Luisenstrasseというところの近くにあるもう一つのGermanistisches Institutに行きました。

ゲルマニスティック(ドイツ学)の研究室は2つあるのです。

もう一つは私がよく利用するところで、Herweghstrasseというところにます。そこには学科の図書館が併設されています。

今回、プレゼンテーションを行う会場はLuisenstrasseの方です。

両方の研究所は距離が離れており、移動が結構たいへんです。

昔ながらの大学町なので、各々の学部・学科の事務局や図書館が一箇所に集まっておらず、

町中に散らばっているので、複数の専攻をかかえている人にとっては授業の時移動がほんと大変だそうです。

 

Luisenstrasseにある研究室には明日の下見ではなくて、どうしても訪れなければならない理由がありました。

それはゼクト(シャンパン)用グラスがあるかどうかを確認するためです。

プレゼンテーションが終った後、論文・プレゼンの総合評価で最終的な合否が決定されるのですが、

めでたく合格した場合、簡単な祝賀会を催すというのがドイツの大学の習わしなのだそうなのです。

その際にゼクトで乾杯し、軽い軽食なども振舞われるそうなのですが・・・。

その準備、ゼクトやグラスや軽食などの調達は、当日発表する人がしなければならないとのこと。つまり私なのです。

祝賀会のみならず、一般的にお祝いの席の場合は「お祝いしてもらう人」が何もかも準備しなければならないみたいで、

例えば誕生日会もそうです。これも誕生日を迎える人が料理やらお酒を振舞わなければならないのです。

 

何度かこういう公開討論会に参加したことがあり、その後に祝賀会が催されるんだなということは知ってはいたものの、

その準備を全て当日の発表者が一人でするということは昨日まで知りませんでした。

5月に行われたエジプト人留学生の場合は、彼が既婚者であり奥さんと一緒にドイツに来ていたということもあり、

準備はほぼ奥さんとその仲間が行ったとのこと。用意周到で、たくさんの人を招いていたとのことでした。

残念ながら私は独身・・・。こんな時、やっぱり結婚して嫁さんが欲しいものですね・・・ 涙

どなたか結婚してください。って、軽々しすぎるか。

 

さて、どうしたものか・・・。

軽食等の準備は到底無理。発表が私の本業故に、とてもとても準備に充てる時間などありません。

というわけで、とりあえず私一人で出来ることと出来ないことを整理してみることにしました。

ゼクト、水、ソフトドリンク類はスーパーに売ってるので、大凡の参加人数分を買揃えればOKです。

しかし、私はアルコールを飲まないので、どのゼクトが美味しくてこういう祝賀会に用いられるのか全く知りません。

次に、飲み物だけ揃えてもグラスがないと飲めません。当たり前ですが。

内輪の飲み会であれば凝ったグラスなど必要なく、シャンパンでの乾杯でもプラスチックのコップで十分なのでしょうが、

いかんせん公的な祝賀会故にそういうわけにはいかない。ゼクト用グラスというのがあり、それを揃えなければなりません。

とはいえ、一個人がそんな30人分ものゼクト用グラスを常時持っているわけがない。

とりあえず、私が出来ることと出来ないことははっきりしました。

出来ないことは、これまで何度もこういう祝賀会をしてきた研究室の人に助け船を出してもらうしかありません。

昨日の晩、早速研究室の人(いつもコロキウムに参加している顔なじみの人達)にヘルプメールを送信しました。

1時間ぐらい後に最初の返信が来ました。なんとProfessorから。

明日(25日)にアシスタントの女性2名が研究室にいるので、彼女たちがきっと力になってくれるので相談するようにと。

 

さて、Luisenstrasseの研究室にある事務室で問い合わせたら、グラスや食器の類はないとのこと。

オマケにここの事務員、26日にそういう催しがあることすら知らないみたいでした。

何か適当にあしらわれ意気消沈。とりあえず朝から何も食べてなかったので腹ごしらえすることに。

「腹が減っては戦は出来ぬ」というものです。食事のあと、グラスが人数分手に入らないということを想定して、

ディスカウントショップに行ってプラスチック製のゼクトグラスがあるかどうか下調べすることにしました。

XENOSというお店とMäc Geizというお店を見て回ったのですが、

Mäc Geizには4つ入りで1ユーロというプラスチックで出来たゼクトグラスがありました。

Herweghstrasseの研究室には13本グラスがあるというので、20個ほどこれを買えば何とかなりそう・・・。

微かに希望が見えてきたので、Pofessorのアドバイス通りHerweghstrasseの研究室に行ってみることにしました。

 

Professorが仰った通り、2人のアシスタントの女性はいました。

 

「グラスは調達して私が明日持っていくから大丈夫なので、ゼクト5~6本と水、ジュース類を用意しておいてください」

「明日、18時回ってからになるけど、グラスを持っていって祝賀会の準備は私がします」

 

とのことでした。グラス調達の問題はこれで一気に解決!!アシスタントの女性に感謝!!!

 

さてさて、次はゼクトの種類。これについても同じアシスタントの女性から有り難い助言がありました。

Rotkäpchenというゼクトが一般的なものだそうで、そのうちtrocknenとhalbtrocknenがよいとのことでした。

ゼクトの種類についてはもう一人助言をしてくれた人がいました。

家を出る前、別のアシスタントの方から昨日のヘルプメールの返信が届き、やはりRotkäpchenがよいとのことでした。

 

最初は26日当日にゼクトや飲み物を買いに行けばいいやと思っていましたが、

今日中にゼクトだけは揃えておくことにしました。まぁないかもしれないけど、品切れになってたりでもしたら困るので。

Grosse Urlich Strasse近くのEdekaで買おうと思い店にはいると、

何とこないだデッサウ・ロスラウの旅でお世話になった友人にバッタリ出くわしました。超強力助っ人登場です。

丁度お店の入口で見かけ、話しかけたら「邪魔になるからとりあえず中で」と言われました。

この辺が普通のドイツ人となんか違う。人の邪魔になろうがお構いなしなのがドイツ人なのに。

友人は日本で1年間生活していたので、日本的な「周りに気を遣う」というものを吸収したのでしょうか。

真偽はナゾですが。今度一度聞いてみます。

 

「明日、祝賀会用にゼクトを揃えなあかんようになったんやけど・・・」と告げると、

「そだねー、Rotkäpchenなんかがいいんじゃないの。旧東独の酒だし」とやっぱりRotkäpchenを勧められました。

Rotkäpchenがよいというさらなるお墨付きをもらい、halbtrocknenとtrocknenを3本ずつ買って帰ることにしました。

友人はコーラの1リットルボトルを買っていました。

数日前までゼミの合宿に参加していたらしく、その時に毎晩ウォッカを飲んでいたとのこと。

なので、酒はしばらく見たくないらしく、私が酒を選んでいるときは別の所にいました。

「俺、ウォッカでベロベロによって、ドイツ語、英語、スペイン語、日本語をごちゃ混ぜにして話してたらしい」と友人。

強い酒を入れたことによって、相当壊れてしまったんだなーと。しばし休養が必要ですね、彼には。

 

レジで支払ってるとき、友人が一言。

 

「あーあー、金の無駄遣いだな・・・。Professorのためか。お前(私のこと)、アルコール飲めないんだよねー、確か。」

 

確かにそうかも。痛すぎる出費なのは事実。私は飲まないのに・・・。

まぁ一生に一度のことなので仕方ありませんが・・・。

 

 

友人は25日誕生日でした。ごめん、すっかり忘れてしまっていた・・・。

「俺、今日実は誕生日なんだなー」と友人が教えてくれたので、

「え、じゃあ、何かプレゼントでも。チョコレートでもどう?」って勧めると「いらん!!」と一蹴。

私が指差したチョコレートはハローレン。忘れていました。彼がこのチョコレートをよしとしていないことを。

とにかく世話になりっぱなしの友人故に、後日改めて誕生日のお祝いしてあげたいと思います。

しかし、本人は誕生日を嫌がっているようでした。

「今朝、鏡見たら顔にしわがあって・・・。俺も年取ったなーって実感したよ」

と日本語でぼやいておりました。

 

 

こんな感じで前日はノンビリ過ごすどころかバタバタ状態になりました。

しかし、とりあえず明日の祝賀会の準備は何とか協力を得られそうなので、ホッと一安心。

家に帰ったらばたんキューでした。

明日の本番、こんなんで大丈夫なのかな・・・。

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