2011年1月15日土曜日

Exa 0 -Exa 1aの祖父-

しばらくカメラは買うまいと堅く決心したのですが、ついついeBayでの出品チェックをしてしまいます・・・。
次にゲットしておきたいものは既に決めてあったので、その価格調査をしていました。


ちょっと泊まりがけの旅に出たら、中古カメラ数台は買える出費が出るし、
それに元々泊まりがけの旅よりも日帰りの旅の方が好きなので、カメラ集めに熱を入れてもよいかなーと。
もともと機械が好きなので。機械イジリも大好きです。



さて、そのお目当てのカメラですが、去年10月に購入したExa 1aのさらに古い世代にあたるExa 0というものです。
1950年代にIhagee社が高級カメラExaktaの普及品として世に送り出した非常にコンパクトな一眼レフカメラです。
コンパクトだけど、今のカメラではありえないボディは全て金属製です。


ネームプレートに特徴があり、Exaという名前がエンボスになっているのと金属に彫刻されているものがあります。
特にこの2種類に人気が集まっており、今でもオークションで完動品がそこそこの値段で取り引きされてるとのことです。
それと、特に50年代のドイツ製カメラは性能がよいものが多いそうで、よい値がつきやすいそうです。



「3000円ぐらいで手に入ったらいいなー」とeBayをチェックしてきたのですが、
どれもこれも最終入札に5000円を超えるものばかり。状態が不明瞭なカメラに3000円以上払うのは博打同然なので、
これまで3000円を超えると入札をやめていました。無駄遣いを控えるために自分で決めたルールかな。
即売品も5000円ぐらいするし、入手は半ば諦めていました。


一昨日も一台Exa 0が新しく出品されました。価格は即売で35ユーロ。即売品にしては悪くない価格。
というのも、即売だと50ユーロ以上が相場。たまに150ユーロ近いものがあります。
こんなの気まぐれに興味を持った私なんかにはとてもじゃないけど手が出ないし、第一勿体ない・・・。 
しかしこの商品は送料が高い。7,9ユーロ。重量があり、さらに厳重に梱包されてくるとはいえこの送料は痛すぎます・・・。



昨日もこの商品を「いいなー」と思いながら見ていました。ポチポチボタン押してるうちに、商品の発送元がわかりました。
それを見てすっごく驚きました。なんとそれはハレ。私が今いる町ではありませんか!!
出品者の評価も悪くなく、商品に関する質問をしてもすぐに返ってくるとあったので、コンタクトをとってみることにしました。



一回目のメールはなんと10分後に返信が来ました。
数度やり取りするうちに、出品者が本当にハレ在住で、町の南部に住んでいるということが判明。
さらに、実機を見て触って購入を決めたいと申し出るとOKしてくれました。
実機を触れる触れないは非常に重要。早速14日に町の南部Rannischer Platzの銀行前で待ち合わせることになりました。



14日午後14時。路面電車が若干遅れたものの、無事に出品者に会うことができました。私より少し年上の男性でした。
天気が悪く、雨が降っていたので車の中での商談となりました。 ちょっと怖かったけど・・・。
車に乗った時、小型のマルチーズに思いっきり歯を剥きながら吠えられましたが・・・。私は犬にも人気ないのかなー。
そしてExa 0と対面。思っていた以上に小さく、小さいんだけど何とも言えない重量感がありました。



Exa 1aのいわば祖父に当たる機種故に、Exa 1aと操作は殆ど同じ。フィルム巻き上げダイヤル式なだけです。
本体はややくたびれ気味なものの、シャッターはちゃんと降りるし、シャッター速度も目測だけど低速から高速まで問題なし。
ミラーも若干経年劣化がみられるものの、像確認には差し支えなく明るい。
近距離、中距離、無限大とピント合わせしてみましたがちゃんと出来ました。十分使用に耐えうるものです。
レンズはヘリコロイドがすかすかでかなり使いにくい状態でした。絞り、ピントはちゃんと合わせられるのですが・・・。



Exa 0以外にもう一台出品されており、それも触らせてもらえました。
もう一台のはExa 1cというExa 1aのさらなる廉価版です。ボディの大半がプラスチック製になり、品質がよくないことで有名。
それもそのはず。旧東独の計画経済が破綻してきた80年代の製品。労働者の労働意欲も低下し、
旧東独のカメラ史ではあまりよろしくない時代とされているようです。



触らせてもらったExa 1cはレンズマウントM42のPentacon 1.8/50mmというのがついていました。
このレンズ、実は密かに前々から注目していたものの一つです。まず開放値が1.8とレンズがとても明るい。
さらに接写距離がCarl Zeis Tessar 2.8/50mmよりももう少しだけ短く、マクロレンズの代わりになりそう。
しかし、見せてもらったカメラのPentaconレンズは距離環がベタベタで、重くて殆ど回すことが出来ませんでした。
絞り環はよかったのに・・・。でも、2台も手に入れるつもり、最初からなかったですが。



Exa 0はシャッターユニットに致命的な経年劣化は殆どなし。シャッターも綺麗に降りるし、ミラーボックス内も綺麗。
さらにIhagee純正の速写カバン付きだったので購入を決めました。






s201100114DSCF3066
これがそのExa 0です。製造ナンバーから1955年代のものであるということがわかりました。56年前のカメラですね。
先代のExakta、特にKine Exaktaと呼ばれる機種があまりにも高級すぎたため、戦後作られたのがこの普及版です。
写真のレンズはExa 1aに元々付いていたMeyer Domiplanです。開放は壊れてますがf 4.0以上ならまだ使えるレンズです。
この機種は正真正銘Ihagee製らしい。Exa 1aは既にIhageeがPentaconに吸収された後の製品なので、厳密にはPentacon製。




s201100114DSCF3074 
空のフィルムケースと並べてみました。フィルムケースの高さが約5㎝なので、カメラの高さはやや高い7㎝ぐらいかな。
横幅は12㎝。一眼レフ機としてはかなり小型の部類に入るカメラではないでしょうか。 私の手のひらにすっぽり収まります。
Exakta、Exaシリーズでは定番の左シャッター。構えた感じですが、小柄なので手が大きい男性にとったら持ちにくいかも。
Exa 1以降でサイズが大きくなったのはそれ故なのかもしれませんね。



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孫に当たるExa 1aと記念撮影。Exa 1aの親に当たるのがExa 1で1962年から1964年にかけて製造されたそうです。
Exa 1aは1964年から登場します。私のはその第4世代目のものだそうです。祖父のExa 0の方がややボディーは小さいです。
可愛いボディーだけど、ズシリと重くて高級感がある(ホントは50年代の安物カメラだけど)のが人気の要因だそうです。
レンズマウントは共にExaktaマウントなので、Exa 1aのテッサーをそのままExa 0に取り付けることができます。




s201100114DSCF3069
そしてExaといえばやっぱりこのウェストレベルファインダーです。こちらもフルメタル製で凄く重いです。
細部までよくできており、とてもいい仕事しています。 元のオーナーの手入れの賜というのもあるかもしれませんが。
埃がたまってるので、もう少し後で時間が出来たら掃除するか、存命のため一度オーバーホールに出そうと思います。
シャッター速度はB~150と低スペックなのは孫のExa 1aに引き継がれています。まぁこれは仕方ない。




光漏れがないか諸々の機能をチェックしたいので、後日12枚撮りのフィルムでテスト撮影したいと思います。
しかしこれほど物欲を満たしてくれるものは今までなかったなー。

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