2011年2月19日土曜日

やっぱり難曲なんだなぁ~


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つい先程ライプツィヒ・ゲヴァントハウスから帰ってきました。いやー久し振りの電車移動、疲れました。
電車の到着が10分遅れたものの、何とか遅刻せずコンサートホールに到着しました。
ゲヴァントハウスはライプツィヒ中央駅から歩いて5分ほどのところにあります。



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開演前のホールの様子。演奏が始まると撮影が出来ないので、舞台にはプレーヤーはいませんが・・・。
本格的なクラシック音楽専用コンサートホールで、客席と舞台の距離がかなりちかい・・・。
人気の演目だったのか、空席は殆どありませんでした。



さて、今日の演目ですが、

Konzertovertüre  “Karneval”  op.92
Konzert für Violine und Orchester a-Moll op.53
7. Sinfonie d-Moll op.70

です。全部ドヴォルザークの楽曲です。前の記事でも書きましたが、メインのドヴォ7が楽しみでなりませんでした。

 

オープニングは「謝肉祭」という曲でした。
これは演奏会のオープニングを飾る序曲として作曲されたもの。とにかく明るい曲。
「謝肉祭」はその名の通り「祭り」をテーマにしたもので、冒頭から勢いのある主題で聴衆をお祭りの世界へと引き込みます。
中間部で木管セクションによって緩やかな主題が奏でられますが、喧騒と喧騒の谷間にある主題であるので、
この曲の中では清涼剤の役割を演じてるかもしれません。

この謝肉祭に限れば、オーケストラはほんと生き生きと演奏していました。
比較的演奏機会が多いプログラムだからだろうか、オケを鳴らす「つぼ」みたいなのをよく把握している感じでした。
座った席が悪かったのか、音が前に飛んでこず上の方に抜けていく感じがし、響き方がイマイチでした。



サブメインはヴァイオリン協奏曲です。
ドヴォルザークの協奏曲といえばチェロ協奏曲が一番有名です。1楽章の主題、3楽章の田舎臭い主題、どちらも好きです。
このヴァイオリン協奏曲はチェロコンについで演奏機会が多い曲なのだそうですが、私は今日初めて聞きました。
3楽章構成で、各楽章前にはカデンツァが置かれています。が、超絶技巧という感じのカデンツァではありませんでした。
印象的な主題もなく、最終楽章がドヴォルザークお得意のフリアントになっているぐらいで特筆すべき点はなし。
ドヴォルザークのチェロコンもそうなのですが、伴奏は実につまらない。
このヴァイコンはSoloすらもパッとせず、全楽章が短調なので、陰気でノッペリしていて楽しい曲ではありませんでした。



休憩を挟んでいよいよメインです。休憩中にCD売り場で一枚700円のCDを買いました。
ドヴォ7とドヴォ8が入っており、指揮者はマゼール、オケはウィーンフィル。ターリヒ版もありましたが、高かったのでパス。
ドヴォ8と9はラファエル・クーベリックの録音が定番だと思いますが、ドヴォ7はどの指揮者のがいいのでしょうね・・・。



さてメイン。ドヴォ7です。
第一楽章。暗い、腹の底に響くドヴォ7の顔とも言えるべき主題がチェロ・ヴィオラによって奏でられます。
ここで転けてしまえば全てがパーと言えるぐらいとってもとっても重要な冒頭。演奏はというと・・・。転けてくれました。
何かリズムが甘かった。音も薄い。もっと弓の毛を弦に吸い付けて弾いていいところなのに・・・。
オケ全体が自信なさげといった感じでした。「難しいから何とかしてくれ・・・」という声が聞こえてくるか如く・・・。

私の席の影響もあったのかもしれませんが、特に弦楽器の調子が一楽章冒頭から変でした。特に1st.ヴァイオリン。
音は鳴っていないし、ハイポジションの箇所は上ずりまくるし、次に来る旋律の準備が出来ていない。バタバタ。
弦セク全体が終始おろおろしているように映りました。 たぶん私もこの演奏の中にいるとそうなるかもしれませんが・・・。

弦セクは元気ありませんでしたが、木管楽器の各一番は相当レベルが高かった。
特にメロディーを担当するフルートの一番とオーボエの一番。クラリネットはやや不安定でしたが・・・。
金管セクはホルンが相変わらず下手。ハレのオーケストラのホルンの方が遙かに上手かも。

第2楽章はその木管が元気だったので、中間部はとても美しく響いていました。 弦セク、相変わらずリズム甘い。

第3楽章。再び弦セクがメインになるわけですが、ヴァイオリンが鳴ってなかったので壊滅。技術的にも厳しそうでした。
フリアントのリズムも甘甘。「ゲヴァントハウスでこれなのか?」とかなり期待はずれでした。

第4楽章、 フィナーレで賑やかな楽章ですが、終始イケイケムードのみでプロらしい繊細な音作りができてなかった。


という具合に、弦セクがボロボロだった故に「とりあえず最後まで通せた!!」という感じの出来でした、ドヴォ7は。




しかし、ドヴォ7をまともに演奏できるオケ、あるのか?
この曲は相当弦セクのレベルが高いオケじゃないと成立しないのではないか・・・。例えばウィーン・フィルかな。
技術および表現レベルが中途半端なオケと指揮者だと、聴き手を納得させられない典型的な曲かも。
ドヴォ8、9よりも断然好きなんだけどな・・・。



あ・・・、何かフラストレーションがたまる。
去年の9月の聞いた巨人・・・。すごくよかったのが懐かしい・・・。

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