2010年5月21日金曜日

朝鮮半島、どうなる?


昨日の記事でもすこし触れましたが、朝鮮半島情勢がここ数ヶ月の間慌ただしくなってきています。

事の発端は2010年3月26日、黄海上における韓国海軍哨戒艦「天安」の爆破沈没。犠牲者も多数でました。
韓国は、この爆破沈没事件の原因を調査してきましたが、昨日北朝鮮の魚雷攻撃が原因であると公式に発表しました。
んー、正直なところこの発表、かなーり胡散臭いんだけど・・・。

韓国政府は国連安全保障理事会に今回の事件を問題提起すると共に韓国独自の北朝鮮への独自制裁も辞さない構えです。


北朝鮮と韓国双方は、休戦協定が結ばれているとはいえ、現在も朝鮮戦争は継続中。
軍事衝突が始まれば第2次朝鮮戦争という最悪の事態になってしまうでしょう。


さて日本政府の対応ですが、総理大臣が昨日次のように表明した模様:

対北圧力、米韓と連携=哨戒艦事件で首相-中国にも協力要請へ

首相は20日夕、韓国哨戒艦沈没事件の対応について、「韓国が国連安全保障理事会に(北朝鮮に対する制裁などの)決議を求めるならば、日本として先頭を切って走るべきだ。強くその方向で努力したい」と記者団に語り、韓国と連携し、北朝鮮への圧力強化を図る考えを表明した。政府は北朝鮮と関係の深い中国にも協力を働き掛けていく方針だ。
日本としては、米国とともに韓国を支え、国連安保理で北朝鮮に対する包囲網の構築を目指す。外相は20日午後、「まず国際社会の一致した対応が求められている」と記者団に強調。今後、21日のクリントン米国務長官の訪日や月末の日中韓首脳会談などを通じ、関係国との足並みをそろえたい考え。
政府は制裁決議採択などの実現に向け、北朝鮮の友好国で常任理事国として拒否権を握る中国の動向を注視。中国は核問題をめぐる6カ国協議再開を優先させる立場を変えておらず、「直ちに協議再開ということにならない」(岡田外相)との日米韓とは温度差がある。
政府内では、「北朝鮮が自ら事件の関与を認めない限り、中国は北朝鮮をかばい続ける」(外務省筋)との見方が根強い。ただ、哨戒艦事件の調査で当初の予想以上に具体的な証拠が示されたことから、「中国も韓国の主張を無視できない」(外務省幹部)との期待も出ている。
岡田外相は20日、記者団に「中国もなるべく共同歩調を取ってもらいたい。意見交換を今週末にも中国と行いたい」と述べ、中国との調整を急ぐ考えを強調した。(2010/05/20-20:24)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010052000886


ここで気掛かりなのが「(…)日本として先頭を切ってはすりべきだ。強くその方向で努力したい」という発言。

こんなことを迂闊に言ってしまうのはちょっとどうかと思う。
国際社会で対処していく問題であるにせよ、この問題に関しては日本が積極的に首を突っ込む必要性はないです。
韓国政府の要請もないんだから隣の地域の問題であるにせよ、ここはしばし静観すべきじゃないでしょうか。
拉致問題とはとりあえず切り離して考えるべきです。

もし仮に軍事衝突が起きてしまった場合どうなるか・・・。

一番近くに紛争の火種があるにもかかわらず、朝鮮半島有事の際の法整備はこれまでなされていない。
軍事衝突が始まり、北朝鮮が追いつめられたら、日本へミサイルの1発や2発飛んでくることも十分考えられる。
いや最も怖ろしいのは日本国内における北朝鮮工作員によるテロ活動。公安によると数万規模の工作員がいるとのこと。
彼らが日本のインフラを破壊すると、命中精度の怪しいミサイルの被弾よりも酷い大惨事になってしまう。
また、半島が火の海になった時、大量の難民が押し寄せてくること必須です。これは先の朝鮮戦争時にもありました。
戦争難民という名目で日本に居座られでもしたら。日本国の意志に反し、民団や総連が非合法に囲い込むことも考えられる。
残念ながら水際で防ぐ方法は今のところ全くありません。議論すら出ていません。


危機管理の欠如は自民党政権時代の汚点。
まさに、このような前政権の残した「宿題」を処理していくのが民主党の役目であり、政権交代の醍醐味であるはずなのに、
今の民主党では・・・。目下の出来事に対して何ら有効な打ち手も示せず、統治機能を喪失してしまっている有り様。
仕分け、仕分けと、当座必要のないことばかりに精を出している有り様・・・。

危機管理に関する法整備がなされてない現状を客観視し、日本が積極介入するのは時期尚早ということで、
一歩引いて静観する方が得策だと思います。迂闊に首を突っ込むと、ほんと国益を損ないかねない・・・。


まぁ拉致問題のこともあるので「これを機に北朝鮮をぶっつぶせ!」という意見もあるかと思いますが、
「窮鼠猫を噛む」という言葉のように、今北朝鮮を外圧で追いつめると何をしでかすかわからない状態です。


上海万博前後に金正日総書記が訪中し、温家宝首相と会談しました。日本でも報じられたはずです。
その席で金総書記は大規模支援を申し出たそうですが、温首相は北朝鮮側に世襲の再考と改革開放路線を提示し、
北朝鮮側の要請を断ったとのこと。

心配なのは北朝鮮国内の情勢。支援要請を断られ手ぶらで帰った金総書記の権威が失墜し軍部が暴走し始めることです。
デノミ政策失敗で国内経済は混乱し、食糧難は改善されず・・・。人間、お腹すいたら何をしでかすかわからない。
いつ北朝鮮内部で暴発が起きてもおかしくないのに、哨戒艦事件で韓国政府が制裁をちらつかせてくるというおまけ付き。
もう一つの後ろ盾であるロシアの出方はわかりませんが、北朝鮮が今袋小路に追いつめられているのは確かでしょう。


普天間問題同様、今回も鳩山首相の上述の発言が厄介な問題の火種にならなきゃいいが・・・。

0 件のコメント:

コメントを投稿